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「甲状腺乳頭がん」② アイソトープ治療 ~ヨウ素制限

闘病記

甲状腺全摘出手術(詳しくはコチラ⇩)の半年後(2026.1)、アイソトープ治療を受けました。
 「甲状腺乳頭がん」① 発見~甲状腺全摘手術

アイソトープ治療(放射性ヨウ素療法)とは

アイソトープ治療(放射性ヨウ素療法)とは、甲状腺全摘後残ったがん細胞や甲状腺組織を内側から破壊する放射線治療です。
病院からもらった書類には「I-131 による残存甲状腺破壊外来治療」だの「アイソトープ検査30mCi(甲状腺アブレーション)」だの、恐ろしげな表現が並んでいますが、
要するに放射性ヨードを含むカプセルを飲んで、身体の内側から放射線を照射して残存する甲状腺組織(がん細胞を含む)を破壊(アブレーション)する治療です。
どんな表現をしようとも十分コワイけど(^^;。
風月も初めて聞いた時にはちょっとビビったけれど、実は60年の歴史をもつ安全な治療法で、欧米では甲状腺がんの再発を予防できる有効性が高い治療として一般化されているそうです。
「stageⅡ~Ⅲの甲状腺乳頭癌のアイソトープ治療後、30年後の再発率は9%、死亡率0%」なんていう追跡調査の結果を見せられてしまうと、受けない選択肢はなかったです。(風月はリンパ腺への転移があったので stageⅡでした)
いやー、人間ってほんとすごいこと考えますよね(^^;。

この治療の目的は残存した甲状腺細胞を破壊することなので、甲状腺を全摘出しておくことが必須です。甲状腺が全摘されていないと残っている甲状腺に放射性ヨードが強く集まってしまい、効果が期待できなくなるのだそうで。
ちなみに甲状腺がんが左右の片側だけにある場合には逆側を残す温存手術を勧められることもあります。この場合は「手術後に甲状腺ホルモン薬(チラージン)を服用をしなくてすむ」「声帯麻痺の確率が下がる」等のメリットがあるのですが、風月は結果的に全摘出してよかったと思っています。
それはなんと言ってもアイソトープ治療を受けることができたこと、そして甲状腺ホルモン薬を決められた一定量服用することでホルモンのバランスが安定したことが大きいです。上述したように甲状腺が残存している場合は基本的にはそこから甲状腺ホルモンが出るので薬をなくてもいいのですが、その量は不安定になることも多く、足りない場合はやはり薬で補充していくことになります。その調整はなかなかめんどくさいようです(^^;。
ただし、声帯麻痺(正確に言うと反回神経の麻痺)はがっつり残りました(T_T)。
これは片側を残存させた場合でも残る可能性はあったので仕方のないことだったと自分に納得させてはいますが、かなりガチでボーカル(歌)を拠りどころとしている風月にとっては非常にキビシイものになりました。詳しくは別記事にて。

ヨウ素制限(ヨード食事制限)

てなわけで甲状腺全摘出の半年後に受けたアイソトープ治療。
放射線ヨウ素が取り込まれやすい環境にするため、カプセルを服用する2週間前からヨウ素食事制限が必要になります。
自分で食事の管理ができない人や通院が大変な人は入院することになりますが、風月はどちらも可能だったので、2週間自宅で(自分で)ヨウ素食事制限後、通院してアイソトープ治療を受けることになりました。

このヨウ素食事制限ってやつが、なかなかストイックでして(^^;。
ヨウ素(ヨード)は、ワカメや昆布、のりなどの海藻類に多く含まれています。
ではこれを食べなければよいのだよね?楽勝~!…ではないのです!
まず魚や貝類は海藻を食べているのでNG。
そして日本人は「昆布だし」が大好き!和食はもちろん、中華、洋食、イタリアン料理にもフツーに昆布だしを使っていることが多いので、外食はNG。ポテトチップやインスタントラーメン、スポーツ飲料(アクエリアスなど)に含まれていることもあります。
コチラは病院からもらったマニュアルです↓

食事の基本は「ヨードが含まれていない調味料」を使って調理した肉とコンソメ野菜スープ。タマゴ(ヨード強化していないやつ)や乳製品は少しだけ。
この「ヨードが含まれていない調味料」ってのがクセモノなんです。
成分表に「ヨード」なんて書いてあるもんなんてまずないと思ってください。
「昆布だし」「和風だし」と書いてあるものはわかりやすいですが、それ以外にもNG成分はたくさんあります。
で、自分なりに調べた結果が下記⇩のメモです。

上の赤✕の中はNG、下の〇表示はOK

これを満たしていた調味料は、ミツカンのポン酢、味の素のコンソメ、SBのカレー粉(赤い缶のやつ)、エバラの焼肉のたれ(フルーツ風味)など、昔からあるシンプルな調味料でした。
*ちなみにスーパーで売っている調味料はほぼAIに聞けば判断してくれます。
ただ、成分表示だけでは判断がつかないのが「塩」。
「海塩」はヨードが含まれているので自宅で使う塩は「岩塩」に変えたのですが、調味料で使われている塩はたいてい「食塩」としか表示されていない! たまたまスーパーで岩塩を使っているマジックソルトなんかも見つけたけれど、こればかりはできる限り「岩塩」と表示のあるものを選ぶ、という程度でいいかと。

2週間のヨード制限、風月は「どうせやるなら徹底的にやってやる!」という戦闘モードで挑んだので、終えた時にはハンパない達成感がありました(笑)。
そして、そのおかげでこれまたハンパなく優秀な治療効果を得て、お医者さんにハンパなく褒められました(≧▽≦)!
あ、ヨウ素制限専門のレトルトパックも販売されているみたいなので、詳しくは病院の指示に従ってくださいね。あまりおいしそーではなかったので風月は利用しなかったけど(^^;。

タイロゲン注射・アイソトープ内服・シンチ撮影

さて、自宅での2週間のヨード制限後、いよいよアイソトープカプセルの服用です。

服用日の前2日間、通院してタイロゲンという薬剤を注射しました。
タイロゲンとは、放射線ヨウ素が取り込まれやすくするため甲状腺刺激ホルモンを上昇させる薬剤。今までは治療中は甲状腺ホルモン薬(チラージン)の服用を中止しなければならなかったのですが、この薬剤が保険適用になったため中止しなくてよくなったとのこと。
チラージンの服用を中止すると甲状腺機能低下症のつらい症状は避けられないので、これはむっちゃありがたかったです。

アイソトープカプセル服用は、お水で飲むだけ。痛くもかゆくもありません。
ただしそれは、核医学検査室で、白い宇宙人みたいな保護服を着た検査技師が、重厚なスープジャーみたいな装置内に厳重に保管された一粒のカプセルをピンセットで取り出して手のひらに乗せてくれるという、厳重な警戒態勢の環境で行われました。
いやいやいや、私はこれからそんなに危険なもんを体内に入れるんかい! と、内心ツッコミまくっていましたが、安全性についてはちゃんと説明を受けていたのでここは騒いでも仕方ない(^^;。
そしてさらに、服用後3日間は人と接触してはダメ
なんでも内服する放射性ヨードは、息、汗、排せつ物、唾液などで対外に排泄されるので、近くにいる人も微量の放射線を受けるのだそう。
特に妊婦さんには注意が必要なので、帰宅時は公共交通機関の場合は連続乗車1時間以内に帰宅しなければなりません。
なので同居家族に妊婦さんや赤ちゃんがいたり、個室で自立して生活できない場合は服用後は入院(監禁?)する場合もあるそうです。風月は娘たちは独立して一人暮らしなので、その間は来ないように通達しておくだけですみましたが。
いやいやいや、完全に危険人物やんけ! と、またもや内心ツッコみまくったものの、やはり騒いだところで仕方ない。
ヨード制限も続く孤独な3日間は家でおとなしく過ごし、吐き気などの予想される副作用はあらかじめ薬を飲んでいたせいもあり、軽い吐き気と倦怠感くらいですみました。

3日後、シンチ撮影後に晴れてヨード制限も解除。
シンチ撮影の結果残存するがん細胞は認められず、血液検査の結果ハンパなく優秀な治療効果だったことは前述のとおりです。
*治療後の血液検査ではサイログロブリンという甲状腺細胞だけが産生するたんぱく質の値が重要な腫瘍マーカーとしての役割を果たすのですが、風月は0.12、ほぼ0に近い値でした。
本当に感謝しかありません(T_T)。ありがとうございました。

追記:「アイソトープ治療」の半年後、転移していないことを確認するため、念のため「アイソトープ検査」を受けることになりました。
検査目的なので放射線量は治療目的の時の半分以下、食事制限は1週間、服用後の人との接触制限もなしです。

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