風月は結構なドラマオタクである。
コロナ禍、闘病中で家にいることが多かったここ数年は、ほぼすべてのドラマの「初回」は録画しておいて目を通している。
初回で好みでないと判断したら、2回目以降は観ない。中には初回冒頭の3分で脱落するものもある。
2回目以降も「なんか違う」と思えば途中から観なくなるので、最終話まで残るのはワンシーズンで5~6作品のみ。
放映前の評価は一切見ないことにしているし、放映後の視聴率や人気ランキングは、風月の好みとはかなりズレていることも多々あります。
という前提の上で、過去ハマったドラマの中で「風月の勝手にドラマランキング第1位」に輝いているのが『和田家の男たち』だ。
(「大河ドラマ」は別枠。「相棒」もガチでハマっている定番シリーズものなので別枠です。)
『和田家の男たち』は2021年秋に放映された、テレビ朝日の金曜ナイトドラマ。
新聞記者の祖父、テレビ局報道マンの父、ネット記者の息子と、それぞれ異なったマスメディアに携わっている三世代の「和田家の男たち」が繰り広げるホームドラマだ。
同じ報道に関わる仕事でありながらも、生きてきた時代、物事に対する考え方、人生観や仕事観が異なる男たちが、ひとつ屋根の下で暮らしているという異色の設定。
深夜の時間帯で全8回という詰め込み感があり、かなりモッタイナイ感があったものの、大石静さんの秀逸な脚本とドンピシャのキャスティングが見事にマッチした、知る人ぞ知る名作ドラマです。
風月がハマりまくった理由をまとめてみました。
💛魅力あふれるキャラ設定と個性派俳優たちのドンピシャなキャスティング
このドラマの主演は、和田家の「3人の男たち」。誰かひとりでも欠けたり違う役者だったら、ここまでの名作にはならなかったであろうと思わせる、見事なキャラ設定とキャスティングでした。
和田寛は、ストイックでダンディでありながら、デキる女にからっきし弱い新聞記者(元新聞社社長)。
息子や孫のことを「アンタ」と呼び頑固一徹に見えるが、実は誰よりも柔軟性がある。
それなりの年齢なのにオヤジ臭がなく、清潔感があってオシャレ。
そんなギャップが魅力の和田寛は、笑顔がチャーミングな段田安則さんが演じています。
寛の息子、TVの報道番組のディレクターである和田修平役は、佐々木蔵之介さん。
ちょっとクールで過去に闇を抱えていそうなデキる男が垣間みせる、やり場のない悔しさと哀愁。
自分の計画を阻止し、裏切った部下に怒りをぶつけない大人の男のダンディズム。
けれど、この男もなぜか「強い女」に弱い。
料理や刺しゅうが得意な、おだやかで優しい孫・和田優は、寛や修平とは血がつながっていない。
朝から苦もなく出す和食のフルコースは、さりげなく祖父や父の味覚に合わせた味付け。
父が闘いに敗れて落ち込んで帰ってきた日には、外まで迎えに出てくる。
40前の男としては少年のような頼りなさを感じさせながらも、実は誰よりも母性に似た強さを持っている。
この難しい役どころを淡々とした自然なセリフ回しで見事に演じているのは相葉雅紀さん。
おそらく相葉さん自身のキャラともかぶるところがあるハマり役だったのだと思う。
そして、このドラマを一層魅力あふれるものにしているのが、和田家の男たちをとりまく、自由にたくましく生きる「女たち」。
そろいもそろって、クセが強く、気が強く、たくましく、頼りになる。そして美しい。
特筆すべき草刈民代さんのウェディングドレス姿は、息をのむほど美しく輝いていました。
「男はこうあるべき」「女はこうあるべき」という既成概念を見事にくつがえす、令和時代のキャラ設定でした。
💛政治の闇と報道のジレンマを描いた社会派ドラマなのに悲壮感がない
『和田家の男たち』は「ホームドラマ」というくくりにはなっているが、その反面、修平の妻(優の母)の死の真相にせまりながら、政治の闇と報道の限界に挑む「社会派ドラマ」でもある。
ところが悪事を世間に暴く勧善懲悪のストーリーかと思いきや、和田家のメディア正義をかけた戦いは失敗に終わるのである。
それにモヤモヤを感じた視聴者もいたと思うが、TV報道の現実やジレンマが生々しくリアルに描かれていて、逆にテレビ朝日らしいストイックさを感じたのは風月だけではないのでは。
とは言えこのドラマの面白いところは、そんな重いテーマがあるにも関わらず、暗さや悲壮感があまりないところ。
闘いに敗れ何もなかったかのように平穏な生活に戻りながらも、最終話では3人はまだ闇を暴くことを諦めていないことを匂わせて終わっている。
どうしようもない理不尽に淡々と対峙する生き力に、和田家の男たちの秘めた強さを感じました。
💛男3人、食卓シーンの抜け感が絶妙
このドラマの最大の見どころが、毎回食卓を囲みながら繰り広げられる、3人の男たちのテンポのよい会話劇。
言葉数は少ないものの、少々の毒やツッコミを交えながらちゃんとお互いを思い合っている絶妙な掛け合い。
ほどよい距離感。
優が作るおいしそうな料理。
さりげなく食器やインテリアにもコミカルな仕掛けやセンスの良さが光っていて、理想の「心地のいい食卓」が再現されていました。
寛も秀平も、大好きなパートナーと入籍しながらも、週末だけ会うという別居婚という形をとることに。
そりゃそうだ。こんなに心地のよい男3人の生活を簡単に手離すテはないだろう。
女たちも自立しているのだから、その方が自由を満喫できて理想的なのだ。てか、籍を入れる必要はあったのか?
夫婦とか血のつながりとか、既成の概念にとらわれない家族のあり方。
過去に固執せず、新しい分野を開拓していく柔軟な生き方。
そんな理想のひとつを示してくれるドラマでした。
現実的に考えると、今後病気や介護といった問題は避けて通れないとは思うけれど(^^;、それもこの男たちは淡々と、柔軟に乗り越えていくのではないかと期待しています。
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