関東 日帰り おでかけスポット

「根津美術館(燕子花図屏風)」「みゆき通り」「MIZEN」~ハイソな街『南青山』の楽しみ方

関東 日帰り おでかけスポット

人混みと行列が苦手な風月母娘。今年のGWも遠出は避けて近隣で過ごそうと決め込んでいたところ、国文学を学んでいる次女MIKUが、南青山にある「根津美術館」で開催されている「国宝・燕子花図屏風(尾形光琳)」展を観に行くとのこと。

南青山といえば、高級ブランドショップが立ち並ぶハイソな街。庶民の風月にとっては少しばかり敷居が高い街なのだけど、GWの雑踏を避けて非日常を味わうには「たまにはいいかも💛」と思いたち、長女SAKIと一緒についていくことに。

みゆき(御幸)通り

今回は表参道駅からの最短ルート(徒歩10分)「みゆき(御幸)通り」を通って「根津美術館」へ直行。

「根津美術館」発行パンフレットより抜粋

ちなみに表参道駅から少し迂回して「骨董通り」を通ると、「岡本太郎記念館」(芸術家・岡本太郎氏のアトリエを公開)や、ジャズの聖地「ブルーノート」などの文化発祥のランドマークもあり…と言っても下北沢などとはまた違った、ちょっとオトナのカルチャー散策が楽しめます。

「みゆき通り」は、戦前に昭和天皇が明治神宮へ行幸した際に整備された道路。現在は、青山らしい国内外の有名ブランドの旗艦店が立ち並ぶファッションストリートです。

スイスの建築家、ヘルツォーク・ド・ムーロンの設計による「PRADA」ブティックビル
H&Mのハイブランド「COS」一号店(右)
「インターセクト バイ レクサス」『インスピレーションを受けた人々が文化の崇高な表現と交わって驚くべき体験をする場所(公式HPより)』らしい。よくわからんけど、なんかスゴイ

テーマパークに迷いこんだかと思うほどのこだわりの建築物を楽しみながら美術館を目指していた中、風月の感性にハマりすぎるギャラリーショップを発見⇩。
お店の方が「よかったら見ていってください」と声をかけて下さったので、「購入はできませんが」とつぶやきながらも、吸い込まれるように立ち寄ってしまいました(笑)。

「MIZEN」青山本店

「MIZEN」は「日本の伝統技術を世界と紡ぐ」をコンセプトに、高度な技術を持つ日本の職人さんたちが主役となるラグジュアリーブランドを展開しているプロジェクト。
about「MIZEN」公式HP

通りに面したショーウィンドウからのぞいたギャラリーの世界観が好きすぎて、思わず釘付けに

ショップというよりは「アートギャラリー」と言える店内では、職人さんたちが丹精込めて作りあげた作品が展示販売されていました。

この日の展示のテーマは
~MIZEN BLUE「勝(SHO)」~
「光の泥染」
鹿児島県伝統的工芸品「本場大島紬」と、木工アーティスト「Junichi Hōzono」のコラボレーション企画でした。

賓園氏は、泥染め作品を多く手掛けている作家。1Fでは今回の企画に合わせて制作されたというアートピースやアクセサリーが展示されていました
独特の味わい深い木材の色は「泥染め」によって染色されているのだそう

1Fギャラリーの一角に展示されていたのは「本場大島紬」。

華絣「勝」(はなかすり「しょう」)
「本場大島紬」の反物。どこまでも深く、それでいて鮮やかな濃紺は「泥藍染」によるもの
「本場大島紬」は奄美大島にしかない鉄分を多く含んだ泥によって染色された絹糸を使用しています
紬に使用されている絹糸。驚くべきことに、織り上げる前の糸の状態で既にに完成模様が色付けされているとのこと。気の遠くなるような緻密な作業工程です
2Fでは紬の反物や、紬によるラグジュアリーブランドのアイテムが販売されていました
手の届かない高級品ではあるけれど、職人さんたちの技術の結晶。大好きな深い藍色に囲まれているだけで幸せなキモチに
紬とは、元来売り物にならない「くず繭」や「真綿」から作られた庶民の織物だったため、今でもどれほど高価でも、着物では「正装」とはみなされない。わけのわからん慣習が、日本が世界に誇るべき文化と技術の価値を下げているとしか思えないなあ(-_-;)
ジャケットを試着させてもらったSAKI。風月もMIKUも試着させてもらったけど、あまりに「着られてる」感があり、写真掲載は控えます(笑)
濃紺と濃黄色(こさきいろ)は、風月が一番好きな色の組み合わせ。ドンピシャでした
パンフレットのデザインもカッコよすぎです
帰りに表参道駅でMIZENの広告を見かけました。やっぱりツボだわー💛

偶然入ったギャラリーで、思いがけず大好きなアートの世界に浸かった至福の時間でした。
「MIZEN」では今後も魅力的な企画を展開していくとのこと。セレブな方も庶民の方も、青山散策の際はぜひ寄ってみて!
HPから来店予約もできるようです。
「MIZEN」公式HP

さて、あまりにツボったギャラリーの紹介が先になったけれど、目的地はコチラ、みゆき通りの突き当りにある「根津美術館」↓。

「根津美術館」~国宝・燕子花図屏風

「根津美術館」は、東武鉄道等の創立者として知られる実業家・初代根津嘉一郎氏が創設した私設美術館。根津氏が収集した、国宝や重要文化財等を含む東洋古美術品のコレクションを保存、展示しています。
根津美術館 公式HP

特筆すべきは、その建物。
竹で構成された深い軒に包まれたエントランスまでのアプローチ空間は、すでにひとつの芸術作品。
これはタダモノの仕業ではないと調べたところ、現代日本を代表する建築家・隈研吾(くま けんご)氏の設計によるものであるとのこと。納得。
隈研吾氏は木材をふんだんに使用した日本的な建築を数多く手がけることで知られる建築家。国立競技場の設計を手掛けたことで名前を知る人も多いのでは。
ちなみにみゆき通りから少し入ったところ(プラダビルの向かい側の路地)に、同じく隈氏が設計したパイナップルケーキ専門店「サニーヒルズ」があります。そちらも一見の価値ありです。
写真はHP参照⇩
https://www.sunnyhills.com.tw/store/ja-jp/

みゆき通りの突き当りにある竹に覆われた建築物が「根津美術館」
日本庭園風のエントランス
エントランスから本館入口への回廊。都会の喧騒から自然の静寂の中へアプローチできるようにデザインされているのだそう
2Fまで全面ガラス張りのロビー入口
根津美術館発行 2023年4~5月特別展のフライヤー
毎年この時期の燕子花の開花時期に合わせて尾形光琳「燕子花図屏風」が公開されています。特別展はあらかじめ予約が必要(HPより)

展示室内は撮影禁止ですが、ロビーや庭園は撮影OKだったので一部掲載します。

高い天井と吹き抜け。解放感あふれるロビー
全面ガラス張りの向こう側に広がる日本庭園


庭園マップ 根津美術館パンフレットより
しっとりと濡れた、小雨が上がったばかりの日本庭園
「燕子花図屏風」は庭園のカキツバタの開花に合わせて公開されています
赤いカエデと青いカキツバタのコントラストが素敵でした

この庭園のおもしろいところは、整備された日本庭園の奥にあるエリア。うっそうと茂る森の中に、東洋から収集されたと思われる石像が安置されています。

庭園の奥に安置されているナゾの石像
点在するナゾの石像を興味深げに眺める姉妹
本館の裏に地下1Fへの出入口がありました

国宝の公開ということもあり、ここも外国人観光客に大人気でした。が、ネット予約で分散されているためかそれほどの混雑にはならず、ゆっくり周れましたヨ。
「根津美術館」は、やはりカキツバタのシーズンに合わせての来訪がおすすめです。

帰りはGWで賑わう青山通りへ戻り、ハンバーガーショップでひと休み。
色々な非日常の世界を少しずつ観て回ることができて、なんだか小さなテーマパークを周った気分。なかなか充実した休日になりました。

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