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大井川鐡道~SL蒸気機関車&アプト式列車で行く絶景「奥大井湖上駅」

地方鉄道・ローカル線

春の静岡旅2日目は、いよいよ念願の大井川鐡道SL蒸気機関車アプト式列車を乗り継ぎ、絶景で知られる秘境「奥大井湖上駅」へ!

*一日目はコチラ⇩
宇津の谷・日本平・久能山東照宮/バスで行く春の静岡旅

観光地図:川根本町まちづくり観光協会 発行

大井川鐡道は、大井川本線(金谷駅~家山駅)SL蒸気機関車が、井川線(家山駅~井川駅)アプト式列車が走る、鉄道ファン憧れの路線。
大井川本線のSL急行は本数が少なく、季節によって時刻表が異なる臨時列車。また井川線は台風の影響で運休している区間もあり(2024年4月現在)、コミュニティバスを利用しないと最終地点の井川ダムまで踏破できないという難関の路線なのです。
なので、今回は大井川鐡道が企画している日帰りツアーに参加することに。
大井川鐡道のツアーは各旅行会社でも企画していますが、やはり沿線を知りつくしている本家本元のツアーが間違いないかと。詳細はHPをご参照ください⇩
大井川鐡道公式HP

風月たちが参加したのは、2024年3月末、SL急行「さくら」に乗って満開の桜を目指すお花見ツアー。
今年は例年に比べて桜の開花が遅れ、さらに当日は生憎の雨という残念な旅に…と思いきや、なんとその悪天候が幸いして、添乗員さん(大井川鐡道の社員さん)ですら初めてだと言う絶景に巡り合ってしまったのです! ふふふ…やっぱり私、持ってる。

大井川鐡道「奥大井湖上駅」とSL、家山の桜、大井川鐵道・川根温泉ホテルランチバイキング
ツアー行程(2024年3月23日催行)

 JR静岡駅
  ⇩ツアーバス
 新金谷駅
  ⇩大井川本線 SL蒸気機関車
 家山駅
  ⇩ツアーバス
 川根温泉ホテル ランチバイキング
  ⇩ツアーバス
 湖上入口
  ⇩徒歩
 奥大井湖上駅
  ⇩井川線 アプト式ミニ列車
 奥泉駅
  ⇩ツアーバス 
 門出駅(KADODE大井川) 
  ⇩ツアーバス
 JR静岡駅

集合は9:00静岡駅南口。
前日泊まった「ホテルオーレイン」から徒歩10分ほどです。
ここからツアーバスで新金谷駅へ。

大井川本線「新金谷駅」(プラザロコ)

大井川鐡道のターミナル駅「新金谷駅」は、JR「金谷駅」からひとつ目の駅。鉄道で来た場合は、SL蒸気機関車はここで乗り換えることになります。

新金谷駅」国の登録有形文化財である木造2階建の駅舎は、1926年に大井川鐵道の本社として建てられたもの
大井川鉄道のSL復活40周年を記念して設置された「SL黒ポスト」。本体の黒色は、実際のSLと同じ塗料を使用。このポストに投函された郵便物には、SLがデザインされた風景印がスタンプされます

SL急行券は、新金谷駅前の「プラザロコ」で販売しています。
「プラザロコ」は、ここでしか買えない限定品やお土産、お弁当の売店、SLミュージアム等が入った鉄道パーク。お見逃しなく。

だいてつナビ」大井川鐡道の手作り感あふれるナビ看板
DCスロフ1形」当初は来賓車として活躍していた井川線専用のミニ列車
SL蒸気機関車いずも」一畑軽便鉄道・住友セメント七尾工場で活躍していたドイツ製の機関車。運転席に入ることができます

プラザの奥にある、昭和のノスタルジックな旧駅舎を再現したスペースも必見。

丹頂鶴の頭のように天辺が赤い「丹頂形電話ボックス
レトロなポスターと、平成の初めまで大鉄下泉駅で使われていたという「広告入り鏡
キッズコーナーでは、トーマスの展示やプラレールの前に子どもたちが釘付け
ツアーでなければ、絶対にこれ買って車内で食べるでしょ(≧▽≦)

さて、いよいよSL蒸気機関車に乗車!

SL蒸気機関車「C10 8」

この日乗車したのは、大井川鐡道で一番古い昭和5年製「C10 8」。奇跡的に動態保存されている、C10型で唯一現存する蒸気機関車です。

汽笛を鳴らし、黒い煙を吐きながらゆっくりと入ってきたC108、ヘッドマークは「さくら」。言うまでもなく風月のテンションはここでマックスに
昭和初期に製造された客車には、白熱灯や扇風機、網棚などがそのまま残されています
座席の窓の下にある栓抜きにすらトキメク風月
機関室は運転しているところを見たかったけれど、さすがにそれはかなわず
SL車内でしか買えない限定のお菓子や大鉄オリジナルのSLグッズなどが揃う車内販売。イキな実演販売に再びテンションが上がる風月
大井川鐡道限定SL饅頭をゲット。SLシール付き

夢の時間はあっという間に終わり、家山駅に到着。

大井川本線「家山駅」

川根町の中心として栄えてきた「家山駅」。歴史を感じさせる駅のホームと駅舎は映画やドラマの撮影にも使われているのだそう。

未練がましく、次の駅へ向かうSL「さくら」をお見送り

1時間ほど自由時間となったので、小雨の中、まだ開花していないという「桜のトンネル」まで散策することに。

広大な「家山川」河川敷。これでも大井川の支流なのだから、本流の大井川はどんだけ広いの(^^;
桜トンネル」家山駅から徒歩10分、大井川鐡道の線路沿いに続く約1kmの桜の名所。残念ながらこの日はほぼ蕾でした。手前の茶屋では手打ちそばを提供しています
かろうじて2本だけ咲いていた早咲きの河津桜。今回はこれで十分
相棒のベストショット
Photo by Mieko Tanaka

家山駅からはツアーバスで「川根温泉ホテル」へ。

川根温泉ホテル

川根温泉ホテル
大井川鐡道直営の温泉ホテル。大自然に囲まれた奥大井観光の拠点となる立地にあります。
露天風呂・内湯・足湯は日帰り利用もOK。
ランチバイキングは約40種類のメニューを提供しています。

ホテルから見える「大井川第一橋梁」を渡るSL。通過時刻を教えてもらい、スタンバイ。小雨で室内からの撮影になったけれど、それもまたよき
売店で御朱印帳とクリアファイルを購入。大井川鐡道沿線に御朱印がもらえる神社はないのだけど…添乗員さんも知らなかった御朱印帳はレアもの?!
フロント前に展示してあったヘッドマーク。今は亡き寝台特急「北斗星」と夜行列車「はまなす」にこんなところで会えるとは(T_T)
フロント横の壁にはペンシルバニア鉄道の汽車のオーナメント

ホテル内には絶妙に「鉄道ファン心」がくすぐられるポイントがちりばめられていたため、肝心のランチバイキングの写真は撮り忘れました(^^;。が、豊富な種類&クオリティーの高い充実したメニューで美味しかったです。

お腹も満たされたところで、再びツアーバスに乗り込み、本日のメインスポット「奥大井湖上駅」へ。

井川線「奥大井湖上駅」

湖上入口でバスを降り、徒歩でレインボーブリッジ上にある「奥大井湖上駅」へ向かいます。
まだ小雨が降っていたので足場が悪く、防水でない靴の人は添乗員さんにビニールカバーを借りていました。

なんと、昨日降ったとみられる雪が残っていました。添乗員さん曰く、この時期(3月末)に雪が降ることは今まで経験がないとのこと
奥大井湖を見下ろす絶景ポイントを通ります

霧雨がけぶる中、接岨峡(せっそきょう)随一の深いエメラルドグリーンの湖が姿を現しました。
晴れた日の大パノラマもキレイだとは思うけれど、しんとした湿った空気の中、雲の下に現れた秘境は息を飲むほどの美しさでした。

長島ダム湖にかかる美しい鉄橋レインボーブリッジの中央にあるのが奥大井湖上駅。これから徒歩であの鉄橋を渡り、雪が残る湖上駅へ向かいます

ビューポイントから急な階段を降りて徒歩20分、レインボーブリッジの湖上遊歩道を通って奥大井湖上駅へ。

エメラルドグリーンの湖面、赤い鉄橋、真っ白な雪のコントラスト
奥大井湖上駅は、中部の駅100選に選ばれています
駅直通の休憩棟「レイクコテージ」。トイレはありますが、売店や自販機はないとのこと

今回のツアーは、ここから金谷・静岡方面へUターン。井川線「南アルプスあぷとライン」で奥泉駅まで戻ります。

南アルプスあぷとライン/日本で唯一のアプト式列車

南アルプスあぷとライン」は、「千頭駅」~「井川駅」を結ぶ「大井川鐵道 井川線」。
もともとは大井川水系のダム建設のために作られ、今は奥大井の観光列車として運行しています。
大井川上流部・奥大井の渓谷を赤いミニ列車がゆっくりと走ります。

赤い鉄橋の上にある奥大井湖上駅から乗車。運転席からの眺めも絶景なり

南アルプスあぷとラインの「アプトいちしろ駅」〜「長島ダム駅」間は、日本の鉄道路線で最も急な勾配の区間。この坂を上り下りするため、それぞれの駅で 列車にアプト式電気機関車を連結します。連結作業は列車から降りて連結作業を見ることができます。

アプト式電気機関車とミニ列車の連結作業

アプト式列車とは、ラックレールという歯形レールを使って日本一の急勾配(90パーミル)を登り降りするよう考案されたもの。
日本でアプト式鉄道が走っているのは、現在では大井川鐡道のこの区間だけです。

アプト式列車」3列の歯形のラックレールに車両の床下にある歯車をかみ合わせて急勾配を登り降りします
井川線(南アルプスあぷとライン)「奥泉駅」に到着

奥泉駅には縄文時代の竪穴住居のようなトイレとバス停があります。
ここで再びバスに乗り、大井川本線「門出駅」で休憩をはさんで帰途につきました。

大井川本線「門出駅」(KADODE大井川)

バス休憩で寄った大井川本線「門出駅」は、2020年11月に誕生した新駅。それに合わせ、隣の駅は五和(ごか)駅から「合格駅」へと改称されました。

なんとも縁起のいい2つの駅には、今や全国の受験生が集まってくるのだそう。
門出駅に直結した観光スポットKADODE大井川内で復元展示されているSLの前には、合格祈願の絵馬がたくさん下げられていました。神社か?

C11-312」昭和21年に製造、昭和63年から平成19年まで、大井川鐡道川根路を228,000キロ(地球約6周分)走り抜けたSL。重厚でカッコいいです
KADODE大井川」緑茶、農業、観光の体験型フードパーク。お土産や飲食店だけでなく、体験型アトラクションやキッズパーク、イベントなど、ここだけでも半日は遊べます
静岡のお土産といえばコレ。うなぎパイとこっこちゃん

この日はバス休憩で寄ったので、お土産だけ買って門出駅を後にしました。
18:00静岡駅着。

今回、生憎の天気にも関わらずとても充実した大満足の一日となったのは、大井川鐡道愛あふれる元気な添乗員のお姉さんと、親切なバスの運転手さんのおかげでした。ありがとうございました。

大井川鐡道さんからいただいた乗車証明書

「寸又峡温泉」や「夢の吊橋」など、今回周れなかった場所もたくさんあり、次回もぜひ大井川鐡道のツアーを利用したいと思います。
*ちなみに一度に10人しか渡れない「夢の吊橋」は、シーズン中は2時間待ちになることもあるそうです(^^;。

最後に、今回一緒に旅をした旧友MIEKOさんの素晴らしい書作品をご紹介。
芭蕉の句です。
五月雨の 空吹き落せ 大井川

by MIEKO TANAKA

⇩こちらは超おすすめの鉄道路線地図帳
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