「おひとりさま」という言葉が流行ったかと思えば、最近は「ソロ活」とかいう言葉をよく耳にします。
そんな言葉を聞く度に、「ひとりで行動すること」がわざわざ提唱されるほど、みんな「ひとりで行動しない」のか、といつも違和感を感じてしまいます。
風月は昔から、人と群れるのがあまり得意ではなく。
いや、人間、ひとりじゃ生きていけないし、孤独が好きというわけではないのです。大切な友人や仲間がいて彼らにはいつも助けられているし、どちらかと言えば「人」が大好き。
ただなんというか…人と過ごす時間も大切だけど、ひとりでいたい時もあるので、不必要に群れるのが苦手というか。
よく言えばマイペースともいうけれど、要は「いたって自分勝手なヤツ」なのだな。
特に小~中学校くらいの子どもたちはなぜか群れたがる習性があり、時にはトイレまで一緒に行きたがる(いわゆるツレ〇〇〇というやつ)。
たまたま教室の中でひとりで本でも読んでいようものなら、「ひとりでかわいそうだから仲間に入れてあげる」と声をかけてくれたりする。「気持ちはありがたいのだけど、私は今本を読みたいので」と丁重にお断りしたとたんに変人扱いとなるが、まあ変人なので仕方がない(笑)。
ただそんな時も、読んでいる本に興味を示して話かけてくれるのは嬉しかった。
中学生の頃「星新一」にハマって学校の休み時間も読みあさっていた時期があったのだが、それまで一度も話したことがない男の子が「僕も星新一が好きなんだ」と話しかけてくれたことがある。それから一気に盛り上がり本の貸し借りをするようになったのだが、その友達とは本の話以外は一切せず、卒業と同時に関係も切れた。名前も憶えていないのだけど、楽しかったなあ(笑)。
自分の好きなことをひとりでもできる人(オタクともいう)とは、ほどよい距離感でいい友人関係が築けるのでありがたいです。
ちなみに風月が「群れるのが苦手」というのは、スポーツにも当てはまります。
身体を動かすことは好きなのだが、野球やバレーボールなどのチーム競技はできれば避けたいところ。
チームの足を引っ張ったり、自分のミスでチームが負けることが耐えられないのです。たとえチームが勝ったとしても、たまたま自分が貢献できたとしても、他のメンバーがミスをして落ち込んでいるのを見るのもつらい。部活でよくある「連帯責任」なんてものは本当に無理。
だからと言ってマラソンなどの完全な個人競技も、孤独でストイックすぎてちょっとつまらない。
で、おちついたところがバドミントンのダブルスです。お互いにリスペクトをし合えるぺアが見つかれば、これほどおもしろいものはない。
ところがこれにも「団体戦」という落とし穴があり、この重圧に耐えきれず最近チームを抜けたばかり。今後は試合に出るなら個人戦を選んでいこうと思っています。
話は逸れましたが、風月はそんな自分勝手な人間なので、「旅」にも時にはひとりででかけたくなることがあります。
誤解されたくないので何度も言いますが、気のおけない友人とでかけるのは大好きだし、最近は成長した娘たちとの旅もむちゃくちゃ楽しい。
けれど、それはそれ、これはこれなのです。
風月が学生だった頃はまだ女子のひとり旅もそれほど危険ではなかったので、ひとりでふらふらとリュックひとつでユースホステルに泊まったりしていました。そんなバックパッカーが一定数いた時代だったのです。
「時々ひとりになりたい放浪癖」は子どもができてからも膨らんでいったけれど、なにしろ育児中にそんな自由はなく。
さらにその頃から世間では「女性のひとり旅は思いつめている場合が多い」などと言われ始め、気が付いた時には「女性の一人客はお断り」という宿ばかりになっていました。
なので昨今「おひとり様」「ソロ活」歓迎の飲食店や宿が増えてきたのはありがたいことだし、おおいに利用したいと思っています。
けれど、やはり「ひとりで行動すること」がわざわざ提唱されるほど、みんな「ひとりで行動しない」のか、という違和感はぬぐえないのです。
そういえば、娘たちが高校に入学した時、すでに入学前からネットで「グループ」が出来上がっていたという話を聞いてビックリした記憶があります。顔も合わさないうちからグループに所属してそれに縛られるなんて。
さらにぶっ飛んだのは、2年前次女が大学に入学した時にも、同じことが行われていたのだとか。次女がそのグループに所属していた子に理由を聞いたところ「ひとりになるのが怖かった」と言ったのだそうです。
「ひとりになる」=「ぼっち」=「ハブられている」と感じてしまうということか。
それを言うならハブる子たちも、ひとりじゃ何もできないのだな。それって結構恥ずかしいことだと思うのだが(^^;。むしろそういう人たちのグループには近づかないのが賢明かと。
またまた話は逸れましたが、そんなわけで、子育て、介護が一段落した今、あたらめて「時々ひとりになりたい放浪癖」がふくらみつつある今日この頃。
娘たちは「母はひとりで出かけたら帰ってこない気がする」と言うけれど、今のところまだ認知症の症状はでていないので大丈夫…だと思う。
↑これね、冗談ではなく一番恐れています。みなさんに迷惑をかけたくないので、徘徊するようになったら迷わず施設に入れてほしい。それだけのお金は残しておくつもりなので。
まだ50代後半。それまでは少し楽しませてくださいませ。
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