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「わすれられないおくりもの」/「ツナグ」~生きること、死ぬことの意味を考える

メンタルヘルス

「わすれられないおくりもの」 
 作・絵 スーザン・バークレイ 
 訳   小川仁央 

『アナグマは、死ぬことをおそれてはいません。死んで、からだがなくなっても、心は残ることを知っていたからです。』
こんな冒頭から始まり、 
 
『さいごの雪がきえたころ、アナグマが残してくれたもののゆたかさで、みんなの悲しみも、きえていました。』 
こんな言葉で終わる。

生を全うして去っていく者、残されて生きていく者、それぞれの死生観が優しく描かれたベストセラー絵本である。
しっかり向き合うのが怖くて、普段はなんとなく避けてしまう「死生観」が、自然の摂理としてすんなり受け入れられる。
人は亡くなっても、その人のことを覚えている人の心に生き続けるのだ。

風月の学生時代、幼児教育科の「児童文学」の授業で、レポートに残した作品のひとつ。
ずっと家に置いてあるので、子どもたちも何度も読み返してボロボロになっている。
それがなんと、現在国文学を専攻している次女・MIKUが、図書館の司書過程で、推薦書籍の題材として選んだというのだから、なんかすごい(笑)。
年代を問わず、代々にわたり影響を与えてくれる絵本は、まさに次世代への「おくりもの」として残していきたい宝ものだ。

「ツナグ」
 著 辻村深月

死者との面会の仲介をする能力を引き継いだ「使者(ツナグ)」。ツナグの仲介のもと再会した死者と生者の想いを描いた連作長編小説。

こちらも次女・MIKUが、推薦図書として「わすれられないおくりもの」とペアで紹介した小説。
中学の思春期の頃、風月がクリスマスプレゼントとして贈った本のひとつだが、こちらもボロボロになるまで読み込んでいた。
「ツナグ」には、答えがない。だから何度も読み返したくなるのだろう。


MIKUにとっては叔母、祖父、祖母など、身近な親近者をたて続けに亡くした頃だったこともあり、「2つの作品を通して、亡くなった人に対する気持ちの整理のつけかたを考えることができた」とのこと。
風月はあらためて読み返してみて、いつの間にか「残された側」ではなく「去っていく側」の目線になっていたことに気づいた(笑)。
育った環境や年代によって受け取め方はそれぞれだが、これをきっかけに母娘で「生と死」に向き合い、語り合うことができたことが幸いだ。
2冊とも、子どもたちだけでなく、あらゆる世代におすすめしたい本のひとつである。

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