2023年4月初旬、母娘3人で訪れた伊勢の旅。
鉄道割引&素泊まりなどを駆使し、道中も楽しみながらの節約旅、珍道中。
鳥羽の離島で人々の暮らしに触れ、後半はあいにくの暴風雨にみまわれながらも、しっかりと日本人の心のふるさと「お伊勢さま」をお詣りしてきました。
今回も写真たっぷりでお届けします。
photo by 風月&SAKI&MIKU
*無断転用ご遠慮ください
〇観光ガイドブックなら断然「まっぷる」シリーズをおすすめします⇩
発行元は地図で定評のある昭文社。以前風月が編集に関わっていた雑誌ですが、膨大な情報量と内容の正確さ、わかりやすさは自信をもっておすすめできます。今は昭文社は離れているので、決して回し者ではありません(笑)。
《新横浜から伊勢市へ「伊勢&鳥羽」2泊3日行程表》
今回は2泊とも伊勢市駅(JR・近鉄)近くの宿を予約。
直前の天気予報で3日目に嵐がくる予報が出たので、最終日は雨でも回れる行程に変更。
1日目:鳥羽の離島めぐり
2日目:伊勢神宮内宮・外宮参り
3日目:伊勢神宮別宮の美術館・博物館めぐり
※時間は参考までに、おおよその目安を記載しています。
1日目
新横浜駅 8:00
⇩新幹線 こだま 2時間20分
(のぞみなら1時間20分)
名古屋駅
⇩近鉄特急 1時間20分
伊勢市駅 12:00
駅のコインロッカーに荷物を預ける
⇩JR参宮線 約15分
鳥羽駅
離島(答志島)めぐり
⇩JR参宮線 約15分
伊勢市駅
コインロッカーの荷物を引き取る
⇩徒歩10分
宿「星出館」19:00 チェックイン
2日目
宿「星出館」8:00
⇩徒歩10分
伊勢市駅
⇩バス
バス停「猿田彦神社前」(おはらい町通り入口)
おはらい町・おかげ横丁観光
伊勢神宮 内宮参拝
⇩
バス停「内宮入口」
⇩バス
伊勢市駅
⇩徒歩10分
宿「星出館」17:00
3日目
宿「星出館」10:00 チェックアウト
⇩徒歩10分
伊勢市駅
駅のコインロッカーに荷物を預ける
⇩
伊勢神宮 外宮 参拝
⇩バス 約20分
バス停「神宮徴古館」11:00
伊勢神宮 別宮 参拝
伊勢神宮 博物館めぐり
⇩バス 約20分
伊勢市駅 17:00
⇩近鉄特急 約1時間半
名古屋駅
⇩新幹線 こだま 約2時間20分
(のぞみなら1時間20分)
新横浜駅
《新幹線・近鉄特急のチケット&宿の予約》
今回の旅は2023年4月初旬、春休みも終盤、シーズンオフの平日だったため、宿は1か月前、鉄道の指定席は1週間前にネットから予約しました。
新幹線チケットの購入
新幹線チケットは「スマートEX」のサイトから「EXこだまファミリー早得割引」を利用して購入。
PASMO、Suicaなどの交通系ICカードの番号を登録すればそのまま改札を通れる(チケットレス)ので、むっちゃ便利です。

〇宿泊とJRセットのツアーならこちらがおすすめ⇩
近鉄特急チケットの購入
近鉄特急は全席指定なので、特急券のみ近鉄のサイトから購入。別途乗車券は駅で購入&発券となるが、ICカードを利用すればこちらもチケットレスで改札を通れます(今回は次女MIKUが学割を適応するため窓口で発券手続き)。
また、伊勢志摩方面はバスや観光施設料等がセットになったお得なフリーパスもあるので要チェック。


宿の予約
2泊お世話になる宿は、観光の拠点となる「伊勢市駅(JR・近鉄)」から近く、リーズナブルな価格、そして情緒あふれる蔵の町「河崎」にあるレトロな老舗旅館「星出館」。
伊勢市駅周辺は美味しそうなお店もたくさんあるので、あえて素泊まりで予約しました。
「星出館」宿のレポートはコチラ⇩
《老舗の宿「星出館」&蔵の町「河崎」》
「星出館」は、伊勢市駅「近鉄口(北口)」側から徒歩7~8分、レトロ感あふれる蔵の町「河崎」にあります。
詳しいまちあるき情報・地図はこちらのHPがわかりやすいです。↓
伊勢河崎商人館公式HP
「星出館」
今回の宿泊先「星出館」は、昭和元年(1926年)創業、登録有形文化財に指定されている老舗旅館。
風情ある中庭を囲むレトロな建物は、古いけれど清潔に磨き上げられていました。丁寧でおだやかな接客に和みます。
竹筒から雫の美しい音色が聴ける「水琴窟」や「蓄音機」「古時計」など、昔ながらの日本の文化に触れられるので、特に外国人の宿泊客はたまらないのでは。






洗面所、トイレは共有。お風呂は風情のある家族風呂があり、1~2名なら余裕で入れそうですが、今回は母娘3人だったので少し狭く、近所の温泉施設を利用。
また、伊勢市駅「近鉄口(北口)」から宿までは徒歩7~8分ですが、伊勢神宮外宮やバスロータリーがある反対側の「JR口(南口)」から宿までは徒歩10~15分程かかります(伊勢市駅は北口~南口へ通り抜けできないのだ!)。荷物が多い時や悪天候の時はバスかタクシーを利用した方がよいかも。ちょっとビミョーな距離でした(笑)。
銭湯「みたすの湯」「霊泉湯」
※今回利用した星出館近くの銭湯
〇船江温泉 「みたすの湯」
星出館から徒歩15分、大型スーパー銭湯。
平日700円、休日800円で、11種類のお風呂やサウナが楽しめる。アメニティはそろっているが、タオルは有料貸し出し。

〇「霊泉湯」
星出館から徒歩15分、住宅街の一角にある、昔ながらの小さな銭湯。
入浴料400円。シャンプー、ボディシャンプーは各50円で購入。なぜかリンスだけは貸し出してくれます(笑)。備え付けのドライヤーはコイン制。

Cafe「わっく」
「星出館」から徒歩5分、河崎本通りにある洋食&cafeのお店。
遅い時間までやっているので夜の食事に入ってみたところ、大当たり!女子に嬉しいカクテルやメニューが充実していて、また来ることがあったら絶対に寄りたいお店です。
Cafe「わっく」





若いご夫婦でやっているようでした。明るくて感じのよい奥様の接客と、パートナーさんの本格的な洋食メニュー。今回は食べなかったけど、メインはハヤシライス? ランチで食べてみたい。
古本屋「ぽらん」
河崎本通りにある、今ではなかなか見かけない昔ながらの古本屋さん。伊勢の郷土史や絵葉書、レコード等も揃う。
「古書の匂いが好き」という、ヘンタイ…いや、本を愛する文学部の次女・MIKUが文庫を2冊買っていました。おじいさんが嬉しそうに対応してくれたとのこと。ネットで買うのと違う味わいにほっこり。
けど、通販もやっているようです(笑)↓
古本屋「ぽらん」
《鳥羽~離島(答志島)めぐり》
旅の醍醐味のひとつは、その土地ならではの文化や風土、暮らしに触れること。
鳥羽といえば「鳥羽水族館」「真珠島」「二見の夫婦岩」などの観光地が有名だが、今回あえて選んだのは鳥羽の沖合に浮かぶ小さな離島群。4つの島をめぐることができる定期船の周遊券もあるけれど、すべての島を周る時間はないので一番大きな離島である「答志島」を訪ねました。
期待通り、いや、期待以上にここは「観光地」ではなかった(笑)! 離島の暮らし、そこに暮らす人々の温かい人情にふれることができました。
「伊勢市」から「答志島」への行き方
「答志島」等の離島へは、鳥羽港から出ている定期船を利用。
伊勢市駅 ⇔ 鳥羽駅間は、JRか近鉄どちらでも約15分。
風月のおすすめは、海沿いを走るちょっとレトロなJR参宮線です。





鳥羽港「佐田浜(鳥羽マリンターミナル)」は、鳥羽駅から徒歩10分。出航は一時間に1本程度なので、帰りの便を必ず確認しておくこと。
定期船ダイヤ(鳥羽市HP)
答志島には「桃取」「和具」「答志」の3つの集落があり、それぞれ定期便の港があります。
「和具」⇔「答志」の間は散策ルートがあるので、今回はこの2港を利用することに。
鳥羽港 13:20
⇩ 定期船
答志島/答志港 13:50
⇩ 島内散策
答志島/和具港 16:30
⇩ 定期船
鳥羽港 17:00



さて、答志港に着いたのは13:50。
車内で朝食のお弁当は食べたものの、そろそろガッツリお昼を食べようと、お店を探します。
…が、ない!飲食店がどこにもない!
道端で話し込んでいた島のおばちゃま方に
「どこかお昼を食べるところはないですか」
と尋ねたところ、
「あらあ~、この辺り(答志港付近)にはないねえ」
「もうこんな時間だもの、お腹すいたでしょう」
と言いつつ、なんと携帯電話で心あたりのお店に問い合わせてくれました。が、そのお店もこの時間は営業していないとのこと(T_T)。
「和具港の方には一件美味しいお寿司やさんがあるんだけど」
と聞き(そのお店はパンフレットにも載ってた!)、そこを目指してとりあえず散策を始めることに。
通りすがりの観光客に親身に対応してくださったおばちゃま、ありがとうございました<(_ _)>。
というわけで、ターミナル港でゲットしたマップを見ながら、答志港 ⇒ 和具港まで散策開始!

鳥羽市公式HPよりダウンロードできます
答志の世古道(答志港路地裏)
答志港付近の漁村の裏路地は、軒と軒がつきあわせるように細い路地が迷路のように入り組んでおり、一帯は「答志の世古道」と呼ばれています。
伊勢では路地のことを世古(せこ)と呼び、伊勢神宮外宮やおはらい町あたりに多く残っています。

各家に備えてある「じんじろ車」は、車が入れない路地で必須の手押し車。鍛冶屋の甚次郎さんが作ったことから「じんじろ車」と呼ばれているそう
各家の壁に「まる八」のマークが書かれていたので調べてみると、この「まる八」は海の氏神様である八幡神社の神紋。八幡祭の弓引きで手に入れた「神事の墨」で船体や家の戸口に書き、大漁、家内安全を祈願しているのだそう。


家の軒先には邪気よけの「あらくさ鰯」や、疫病除けの「しめ縄」も吊り下げられていました。

シーズンオフの平日ということもあり、ほとんど人とすれ違うことはなく。小さな郵便局や役場、保育園、小学校の中にひっそり点在する神社やお寺、古墳を訪ねながら和具港を目指します。
静かな道中で唯一出会った、魚をさばいていたオッちゃんたちが「こんちはー!」とあいさつをしてくれました。

美多羅志(みたらし)神社 竜神さん
住宅街に静かに祀られている美多羅志神社のご本尊は、五男三女の子を持つ神様で、子授けのご利益があるのだそう。





「美多羅志(みたらし)」神社なのに、みたらし団子はないのね。と思って名の由来を調べると、神功皇后の本名「オキナガタラシヒメ」に係る古代の海人族タラシ一族に関係しているらしい。タラシ一族とは…ナゾは深まるがこのへんで先へ進むことに。
潮音寺(ちょうおんじ)
美多羅志神社に隣接して、鳥羽の城主・九鬼嘉隆が関ケ原の戦いに破れ、逃げ隠れたと言われる潮音寺があります。(答志島には自決した九鬼嘉隆に由来する首塚・胴塚・血粗いの池などが残っています。壮絶なり。)




境内にある「こころざし用紙」に記入して箱におさめておくと、こころざしが叶うよう祈祷してくださるとのこと。

答志島の守り神さまに祈願を終え、散策を再開。
地図によると、この辺りに2つの古墳があるらしい。
…のだが、それらしきものが見当たらず、しばらく山道をウロウロ。


蟹穴古墳
たどりついたのは、どう見ても放置された空き地にしか見えない一角。むむ、古墳はどれ?

パンフレットによると7世紀後半に作られた円墳横穴式石室で、国指定文化財なのだとか。古墳時代の須恵器「台付長頸瓶(だいつきちょうけいへい)」の土器(国重要文化財)が出土され、奇跡の発掘と言われたそう…なのだが、その土器はどこへ?
などとブツブツ言いながら山道を引き返します。
もうひとつの「石屋古墳」は石室が残っているらしいのだが、標高80mの山頂にあるとのことで、断念。
すきっ腹を抱えて和具の港へ向かいます。
果たして目的のお寿司屋さんは見つかるのか…とドキドキしながら探すと…あったーー!!「まるみつ寿司」!!
「まるみつ寿司」

答志島和具港から5分、海沿いの民家の一角に「まるみつ寿司」を発見!よかった、開店してる( ;∀;)。
入った時には15時半を回っていて他にお客さんはいなかったのだけど、大将は嫌な顔ひとつせず出迎えてくれました。
迷わず注文した上寿司の車海老が絶品!それもそのはず、さきほどまで生け簀にいた新鮮な車海老。これが食べられただけで離島に来てよかったと思える美味しさ。途中で海老のアタマを回収し、カリッカリの塩焼きにしてくれました。
ごちそうさまでした<(_ _)>。

観光シーズンには電話で予約しておくのが確実です。
まるみつ寿司HP
さて、ようやくお腹も満たされたところで、帰りの定期船に乗り遅れたらタイヘン。少し早めにターミナルに入り、無事に帰途へ。

私たちの他にはひとりも観光客に会わなかったシーズンオフの答志島。ありのままの離島の暮らしを少しだけのぞかせてもらった半日でした。
《伊勢神宮 内宮》
2日目は朝から一日かけて本命「伊勢神宮 内宮 」へのお参りです。
「伊勢市駅」バス停(JR南口)
⇩(バス)
「猿田彦神社前」バス停(おはらい町入口)
⇩
「おはらい町」「おかげ横丁」
「伊勢神宮 内宮」
⇩
「内宮入口」バス停
⇩(バス)
「伊勢市駅」バス停(JR南口)

先に内宮を参拝する場合は逆ルートで周ることになるのだが、「おはらい町」は昼時は混雑するので午前中に周ることに。
生憎の小雨だったけれど、平日ということもあり空いていてゆっくり周ることができました。
猿田彦神社
「おはらい町」東側入口から徒歩2~3分の位置にある「猿田彦神社」もぜひ寄っておきたいパワースポット。
物事の始まりを導く「みちひらき」の神様「猿田彦大神」が祀られています。




おはらい町・おかげ横丁
伊勢神宮「内宮」へ、五十鈴川に沿って続く石畳の参道「おはらい町・おかげ横丁」は、伊勢神宮お参りに欠かせない楽しみのひとつ。
全長800mにわたり、江戸~明治時代のレトロな歴史的建築物が軒を連ねる。徒歩15分程度だが、伊勢の名店、郷土料理、お土産屋さん、体験施設などをひとつひとつ堪能すると半日でも足りないほどだ。
シーズン中の休日などはどの店も行列ができるとのこと。時間をずらすなどの余裕をもってまわるのがよいかも。
詳しい地図やパンフレットは伊勢市観光協会の公式HPからダウンロードできます↓
伊勢市観光協会公式HP

「くみひも平井」伊賀の伝統工芸品
猿田彦神社からすぐ、おはらい横丁入口近くに伊賀くみひもの専門店「くみひも平井」があります。
和装小物だけでなくアクセサリーやインテリアなどトキメク品がたくさん。散々迷って女子大生MIKUがイヤーカフをゲット。
「くみひも平井」公式HP

「五十鈴茶屋」本店
まずはおはらい町通りの中ほど、通りから少し奥まった場所にある古民家風カフェ「五十鈴茶屋本店」にてモーニング。



おはらい町では食べ歩きも楽しみのひとつ。お腹に少し余裕を残しつつ、おかげ横丁へ向かいます。



「団五郎茶屋」
食べ歩き一軒目は、おかげ横丁中央広場(?)にある団五郎茶屋で松坂牛の串焼き。



「おかげ座神話の館」は時間があれば絶対に寄りたかったのだけど、「神話シアター」の上映時間が合わず、断念(T_T)。
ところが!たまたま立ち寄ったお土産屋さんの2Fで、「神話の館」でシアターのアニメーションや展示に使われている和紙人形の作家・阿部夫美子氏の展示会が開催中!
なんという幸運。夢のような幻想の世界にどっぷりと浸ることができました。
「阿部夫美子 和紙夢現展」
「阿部夫美子 和紙夢現展」
令和5年3月18日~4月16日
於:大黒ホール(おかげ横丁「伊勢路名産味の館」2F)
撮影OKだったので、許可を得て掲載させていただきます。
目に入ったとたん釘付けになり、しばらく動けなくなった圧巻の作品がありました。
『月読命(つきよみのみこと)』。いまだに目に焼き付いて離れません。

後からキャプションを読むと、東日本大震災の被災地との運命的なつながりと、鎮魂の祈りがこめられているとのこと。

『闇に眼を凝らせば、月の光に照らされ、人は前に進むことができます』
全身全霊の魂がこもった作品に胸がしめつけられました
伊勢に由来する神話に登場する神々の美の饗宴。

これから訪れる伊勢神宮内宮の正宮に祀られている、日本人の総氏神様

先ほど訪れた「猿田彦神社」の御神。天孫降臨の際いち早く地上より駆けつけ先導役を務めたことから「みちひらきの神」として信仰をあつめている。(キャプションより)
風や水、空気の流れを感じる躍動感あふれる作品はまさに夢現の世界です。




阿部夫美子氏の人形が使われているという「おかげ座神話の館」の「神話シアター」を観れたら、伊勢の神々をとても身近に感じられることができると思います。
時間がある人はぜひ寄ってみて。
「お伊勢屋本舗」
おはらい町食べあるき2軒目。
三重といえば松坂牛! ステーキはちょっとお高いが、牛串やコロッケ、肉まんなどが気軽に堪能できるお伊勢屋本舗はハズセないでしょう。
https://oiseyahonpo.jp/


「伊勢プリンの鉄人」
おはらい町食べ歩き、シメはスィーツ好きの長女SAKIとタマゴ好きの次女MIKUが目指した「伊勢プリンの鉄人」。


さて、すっかり楽しんだところでいよいよ本番の「お伊勢さま参り」です。
《伊勢神宮 内宮(皇大神宮)》
日本人の大御祖神、天照大御神の聖地。
ここからは「観光地」ではありません。神聖な気持ちで心おだやかに参拝しよう。写真も控えめに…


高さ7.44mの神域への鳥居。一礼して中へ

神と人を結ぶ橋とも言われる五十鈴川にかかる橋

見事な松と整備された芝生が美しい庭園

参道の右手の斜面を降りた場所にある石畳の河原。水面に新緑が映る。秋には美しい紅葉が見られるのだそう


天照大御神は4重の垣根に囲まれた最奥に祀られている。撮影は階段下からのみ。二拝二拍手一拝でお参り

天照大御神は、平和で穏やかな霊力である「和御魂(にぎみたま)」と、激しく積極的な霊力である「荒御魂(あらみたま)」の二面性を持つ。ここでは新しい事や物を生み出すエネルギーを持つ「荒御魂」が祀られている


2日目の内宮参拝は小雨の中、約90分ほどかけてゆっくり周ることができました。
さて、モンダイは翌日の3日目。天気が荒れる予報だったので、それを見越して伊勢駅から徒歩圏内の外宮と、バスで15分ほどの場所にある神宮の博物館を周ることに。
宿をチェックアウト後、伊勢市駅のコインロッカーに荷物を預けて外宮を参拝後、バスで神宮博物館のある「倭姫文化の森」へ。
「超晴れ女の風月」vs「超雨女の長女SAKI」、二人の攻防戦後半は風月の大敗となり、暴風雨の中の強行軍となりました。くっそお…前半は頑張ったんだけどなあ(-_-;)。無念である。
「カミノコーヒー」
外宮参拝前にたまたまモーニングに立ち寄ったカフェが、コーヒーはもちろんトーストも美味しかった!
参道のメイン通りから路地を入った場所にあるので少しわかりにくいけれど、10時から開店しているのでおすすめです。
カミノコーヒー


《伊勢神宮 外宮(豊受大神宮)》
外宮(げくう)には衣食住の恵み・産業の守護神である豊受大神宮(とようけのおおみかみ)が祀られています。
今回は天気の都合で内宮参拝の後になったが、本来は伊勢参拝はこちらの外宮から行うのが習わしだそう。



社殿は内宮とほぼ同じ日本古来の建築様式。4重の垣根に囲まれている

豊受大御神の活発な側面である荒御魂(あらみたま)が祀られている

外宮周辺の地「山田原」の鎮守の神様「大土乃御祖神」が祀られている
もうひとつの別宮「風宮(かぜのみや)」に祀られているのは、鎌倉時代の元寇の際に神風をおこし日本を守ったとされる風の神。
正宮と3つの別宮を周り、神楽殿で御朱印をいただいて参拝終了。
30分ほどでゆっくり周れました。
入口にある「せんぐう館」でしばし休憩。

「せんぐう館」横にある池。舞台では種々の奉納行事が行われる。
「せんぐう館」は第62回「式年遷宮」運営を記念して建てられた資料館。展示や映像を通して遷宮祭の様子や神宮での日々の営みを知ることができる。初めて参拝する人は必見
外宮参拝を終え、一度伊勢市駅へ戻って駅前から伊勢の博物館へのバスに乗ります。
《伊勢神宮 別宮 倭姫宮・神宮の博物館~倭姫文化の森》
「倭姫文化の森」は、別宮「倭姫宮(やまとひめのみや)」を囲むように伊勢神宮の文化施設「神宮徴古館」「神宮農業館」「神宮美術館」「神宮文庫(この日は休館日でした)」が集まっています。
神宮の博物館 公式サイト
特に「神宮徴古館」は、初めて伊勢神宮を参拝する前にぜひ寄っておきたい資料館。
そもそも風月たちは、伊勢神宮には「内宮」「外宮」「別宮」があり、神宮は125の宮社の総称であることすら知らずに臨んだお伊勢参り。20年に一度、社殿・装束・神宝等をすべて新調する「式年遷宮」が行われるということも、今回初めて知ったという不勉強ぶりだったのです(^^;。
徴古館では、神宮の由緒、「式年遷宮」の歴史や重要文化財等の貴重な資料が展示されていて、神宮崇敬の日本の文化である「お伊勢さん」への理解が深まりました。



「神宮微古館」「農業館」の建物は、赤坂離宮を手掛けた片山東熊氏の設計。ともに国の登録有形文化財に指定されています。


「神宮農業館」は「自然の産物がいかに役立つか」をテーマに創設された日本で最初の産業博物館。皇室からの賜り品やお祭りのお供え物、農林水産省の資料など、興味深い展示がされてます。

「神宮美術館」は、式年遷宮によせて当代を代表する美術・工芸家から奉納された作品が展示されています。

最後に、別宮のひとつ「倭姫宮」を参拝。
天照大神の御杖代(みつえしろ)となって皇大神宮の創建にあたった倭姫宮(やまとひめのみこと)の功績をたたえ、祀られています。

大正12年に創建された、最も新しい別宮
「倭姫宮」の参拝を終えた頃には雨風がさらに強まり、帰りのバス停は嵐の中。
それでもめげない母娘3人、2泊3日伊勢の旅、シメはやっぱり伊勢うどん。暴風雨の中、伊勢市駅前の老舗「山口屋」に飛び込みました。
「山口屋」
ようやくありつけた念願の伊勢うどんは、昭和初期創業の「山口屋」。評判通りの秘伝のタレ、やわらかいがコシがある自家製の太麺に大満足。
サイトによると2023年5月、駅前再開発により移転するそうです。
新店舗開業は7月とのこと。事前に確認を。
名代伊勢うどん「山口屋」


今回の旅で、実は私は「伊勢神宮」のことを全く知らなかったのだと実感しました。
知らず知らずのうちに自分の中に、そして日本人の中に根付いていた「神教」の聖地。次回は式年遷宮の時期に訪れたいが、その時風月は何歳になっているのだ?…と余計なことは考えないようにしよう。
コメント