11日間の「春の屋久島母娘女子旅」も、とうとう最終日。
念願だった「神秘の森・屋久島」は、最後まで期待を裏切らない非日常体験をさせてくれました。
最終日の朝ごはんはもちろん、屋久の宿「たぐち」で。
ひとみさんの心づくしのお料理もこれが最後かあ(T_T)。



家族同然に接してくれたオーナー夫妻。
これまであちこち旅をしてきた風月の中でもダントツの「濃い出会い」でした。
二人がいるから、また屋久島に行きたいと思える。
屋久の宿「たぐち」は、次に屋久島を訪ねる時は「ただいま」と言える、あたたかい場所です。
ありがとうございました。
また帰ってきますね。
「泣いちゃうから、見送らないでね~」と言って「たぐち」を後にしたものの、県道に出る頃にはやっぱり少しだけうるっとしてしまった風月でありました(T_T)。
さて、帰りのフェリーは13時30分。ぎりぎりまで屋久島を堪能するべく、周りきれなかったスポット「千尋の滝」「猿川ガジュマル」を目指すことに。
幸い、屋久島最終日も「晴れ女・風月」は、遺憾なくその力を発揮しました。
宮の浦から県道を一時間。「千尋の滝」へ上がる道の途中にある橋で、美しい滝に出会いました。
危うく通りすぎるところでした(^^;。
竜神の滝
千尋の滝に向かうルートの途中にある「千尋橋」から観覧できる、落差30mの滝。
原生林の峡谷の間を切り裂くように、白い水の帯がまっすぐに落水しています。


実はこの「竜神の滝」は、同じ「鯉ノ川」という河川で「千尋の滝」とつながっています。
(「鯉ノ川」は、さらに下流で「トロ―キの滝」となって海に流れ込んでいる。)
田口オーナー曰く、『「千と千尋の神隠し」の千尋とハク(竜神)は、「千尋の滝」と「竜神の滝」からインスピレーションを受けて生まれたのだ!』。
はい、確かにそう思えます。
どうなんでしょう、宮崎駿氏。
「竜神の滝」からほどなく、「千尋の滝」に到着。
千尋(せんぴろ)の滝
宮の浦から約60分。
屋久島の南東を流れる鯉之川の上流にある、落差60mの滝。
400m×200mという巨大な花崗岩でできた一枚岩のくぼみを、水しぶきをあげて豪快に流れ落ちる。
『千人が両手を広げたほどの大きさ(人が両手を広げた長さが一尋(ひとひろ))』という意味で命名されたことからも、そのスケールの大きさがうかがえます。
屋久島南部のシンボルであるモッチョム岳への登山口にもなっています。
屋久島にしてはめずらしく(笑)、駐車場、売店、トイレ、歩道、2つの展望台が整備された、観光地らしい「観光地」。
第1展望台は迫力ある「千尋の滝」を間近で見ることができ、100段の階段を上がった第2展望台からは、大海原が広がる雄大な景色が楽しめます。
売店の方曰く、第2展望台は気づかずに帰ってしまう人もいるそうなので、忘れずに立ち寄ろう。



まずは駐車場から2~3分、第一展望台へ。
滝は思ったほど近くはないが、なんといっても花崗岩の一枚岩が圧巻。
屋久島が「花崗岩マグマが海底プレートを押し上げて隆起した島」だということを、あらためて実感することができます。




一度駐車場へ戻り、第1展望台と逆の山側にある第2展望台へ。
「展望台入口」と書かれた小さな看板がある小道を入って100段の階段を上ります。
ちなみに駐車場の脇にも小さな展望スポットがあるが、それとは別なので間違えないように。
第2展望台は、360度山と海に囲まれ、遮るものが無い絶景が広がっていました。
山側は千尋の滝からモッチョム岳を望み、海側は真っ青な空と水平線が広がり、眼下に麦生集落~原集落と海岸線が見渡せるビュースポットです。



帰りにもう一度売店「げじべえの里」に寄り、母娘で記念のストラップを購入。
ワイルド&サバイバルな屋久島11日間の旅、最終日にして初めて「女子旅💛観光旅行」らしいことをしたような…。

次に向かうのは、「千尋の滝」から10分ほどに位置する「猿川ガジュマル」。
観光ガイドでもあまり紹介されていない、ナゾのスポットです。
県道沿いに見落としそうな手づくり風の看板があり、そこから細い山道を200mほど上がっていくと、右側に車が2~3台とめられる空き地があります。
なぜか「蝶」が飛び交うこの空き地が、「猿川ガジュマル」の入り口でした。
猿川ガジュマル
宮の浦から約50分。
約100m²にわたって樹齢100年以上の巨大なガジュマル群が茂る自然林。
駐車場とおぼしき空き地から分け入って「獣道(けものみち)」を5分ほど進むと、その先に広がるっていたのは「観光地」とはほど遠い「原生林」。
一瞬「ここは人間が踏み込んでもいい場所なのか」と思うような、神秘的な異世界に迷い込んでしまった感覚におちいりました。
時が止まっているかのような静かな空間でした。

樹高10mものガジュマルがからみあいながら群立する光景は、東南アジアの熱帯雨林ジャングルさながら。
一本の木の体をなしていない奇怪な姿は、何本あるのか、どこがどうなっているのか、全く分からない。


人間の気配も動物の気配もない、薄暗い原生林。いや、ここで動物に会ったらマジで怖い。
気根のトンネルを抜けながら奥へ進むと、来た道を戻れるか不安になってきます。
自然林なので、触るどころか登ることもできるので、恐る恐るガジュマルとたわむれてみることに。






人がいないのをいいことに、童心にかえってたっぷり遊んだ風月母娘でありました。
この場所は地元の人たちにもあまり知られていないらしく、この日唯一すれ違った家族連れの人たちも「屋久島に住んでいて、こんなところがあるなんて知らなかった」と言っていたほど。
「屋久島フルーツガーデン」と同じくらいツボにハマったスポットでした。
最後に寄れてよかった!
「屋久島で一番観光地らしいスポット」と「屋久島で一番手つかずの原生林スポット」を周り、いよいよ屋久島ともお別れ。
宮の浦でレンタカーを返却後、無事に「フェリー屋久島2」に乗り込み、神秘の島を後にしました。


帰路、東京までの交通は以下の通り⇩
宮之浦 レンタカー返却 12:30
屋久島港 13:30発
⇩ フェリー屋久島2
鹿児島港 17:40着
⇩ TAXI 20分
鹿児島中央駅 18:20発
⇩ 高速バス 1時間
鹿児島空港 20:40発
⇩ SNA(ソラシドエア)
羽田空港 22:25着
帰路も昭和レトロ感あふれる「フェリー屋久島2」を堪能し、鹿児島港に到着。
帰路もネックとなるのは、交通の便がややこしい鹿児島市内。
鹿児島港から鹿児島空港までは直通バスがないので、空港便が出ているJR鹿児島中央駅まで、タクシーで移動することに。
タクシーの運ちゃんですら「市内はややこしすぎて、バスは使ったことがない」のだそう。
駅前のややこしいバス乗り場の中から空港行のバス停を見つけ出し、関門をクリア。
無事に予定通り生還することができました。


念願だった「神秘の森・屋久島」への旅は、予想をはるかに超える非日常な体験となりました。
悠久の時を経て生き残ってきた大自然の「圧倒的な生命力」に包まれながら感じたことは、
「私、今やっと自由になれたんだな」
「これからはもっと自由に生きていいんだな」
ということ。
私がやりたかったことって何だったのか。
何をすれば自分が喜ぶのか、心地いいのか。
そんなことを再確認した旅でした。
「屋久島に行くと人生が変わる」とよく言われるけれど、人生が変わったいうよりは、「自分らしく次へ進むためのステップ」へと後押ししてもらった感覚。
帰宅直後に乳がんが発覚して新たな闘病生活が始まることになったけれど、それも冷静に受け止めることができました。
生かされている時間を、感謝をこめて大切に生きていこうと思っています。
パワーあふれるワカモノSAKIにとっては、「次へ進むためのステップ」どころか、「どこかに向かって(どこに向かうのかは知らんけど)羽ばたくためのジャンプ台」になったようです。
本来の目的であった大学院の卒業制作に取り組む一方、アウトドアに目覚めたのか、クロスバイクを購入。ワンダーフォーゲル部に入部して、さらに自然を求めて放浪しています。
将来の進路、目標も明確になってきたよう。
母としては「ケガだけはしないように」と願うばかりです。
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⇒ 【屋久島春の母娘二人旅】
追記
帰宅後、宿で出会ったM親子から、美大生・SAKIが入選した「TARO展(岡本太郎美術館)」を観に行ってくれたとのメールをいただきました。
どれほど励みになったことか。
わざわざと遠いところを、本当にありがとうございました(T_T)!
3か月後、田口オーナーからは、風月の手術の成功を祈るメールと共に送られてきたビックリ画像。
屋久島滞在中に案内してもらった「屋守人園」で、こっそりパッションフルーツに落書きしていたものが、無事に育って収穫されたのだそう。なんかウレシイ(笑)。
おかげさまで無事に手術を終えました。
ありがとうございました!


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